胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)
胆嚢内にゼラチン状の粘液が徐々に蓄積し、胆嚢全体に充満することで、閉塞性黄疸や胆嚢炎、胆嚢破裂などを引き起こす病気です。
シェルティやコッカー・スパニエル、ミニチュア・シュナウザーで多いといわれています。
食欲不振や下痢、嘔吐、黄疸などの症状が現れることが多いですが、症状がなく健康診断の際に偶然見つかることもあります。
病院内の検査で肝酵素値の上昇などが認められ、腹部超音波検査で、胆汁の動きのない膨らんだ胆嚢が観察されます。
治療は手術で胆嚢を摘出することが一般的ですが、胆嚢破裂や腹膜炎、胆管の壊死などの合併症が認められる場合は手術が困難になることがあります。
写真は手術で摘出した胆嚢粘液嚢腫の胆嚢で、胆嚢の断面は黒いゼラチン状の粘液が充満していました。
健康診断で胆嚢の異常が見つかった場合、胆嚢粘液嚢腫に移行することもあり、注意深い定期健診が必要です。