甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)
首にある甲状腺から分泌されるホルモンが欠乏することによって生じる病気です。
犬でみられる疾患で、ビーグルやボクサー、コッカー・スパニエルに多いと報告されています。
甲状腺ホルモンは、代謝を司るホルモンなので、甲状腺ホルモンが欠乏すると、代謝が悪くなり、低体温、無気力、疲れやすくなる、体重増加といった症状が現れます。また、皮膚が分厚くなるため、この病気特有の悲劇的な顔つきを示したり、尾の特徴的な脱毛が見られたりすることもあり、外貌からこの病気が疑われることもあります。
不足している甲状腺ホルモンを飲み薬で補う治療を続けると、症状が改善し、若返ったように活動的になることも多いです。
写真は、甲状腺機能低下症と診断したワンちゃんの治療前と治療後の顔つきの変化です。治療前は特徴的な悲劇的顔貌をしており重度の肥満でしたが、治療後は顔つきが明るくなり、活動性も上がったため、体重も減少傾向にあります。