札幌市清田区のうすだ動物病院の診療対象動物は犬、猫、ウサギ、ハムスターです。

うすだ動物病院

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症例紹介

甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)

 

首にある甲状腺から分泌されるホルモンが欠乏することによって生じる病気です。

犬でみられる疾患で、ビーグルやボクサー、コッカー・スパニエルに多いと報告されています。

甲状腺ホルモンは、代謝を司るホルモンなので、甲状腺ホルモンが欠乏すると、代謝が悪くなり、低体温、無気力、疲れやすくなる、体重増加といった症状が現れます。また、皮膚が分厚くなるため、この病気特有の悲劇的な顔つきを示したり、尾の特徴的な脱毛が見られたりすることもあり、外貌からこの病気が疑われることもあります。

不足している甲状腺ホルモンを飲み薬で補う治療を続けると、症状が改善し、若返ったように活動的になることも多いです。

写真は、甲状腺機能低下症と診断したワンちゃんの治療前と治療後の顔つきの変化です。治療前は特徴的な悲劇的顔貌をしており重度の肥満でしたが、治療後は顔つきが明るくなり、活動性も上がったため、体重も減少傾向にあります。

甲状腺機能低下症①甲状腺機能低下症②

2019年3月20日更新

副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)、クッシング症候群

 

腎臓の横にある副腎という臓器の皮質という部位から分泌されるホルモンが過剰になることで生じる病気です。

犬で多く認められますが、猫で発症することもあります。

副腎皮質ホルモンはコルチゾールというステロイドホルモンで、過剰な食欲、多飲・多尿(飲水量と尿量の増加)を引き起こします。また、特徴的な脱毛や腹部膨満の体型からこの病気を疑うこともあります。さらに、糖尿病を併発したり、神経症状が現れたりすることもあり、その場合には症状は様々です。

副腎皮質ホルモンが過剰分泌する原因は、脳下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の過剰分泌による場合と副腎皮質が腫瘍化する場合との2通りあります。

治療の目的は、ワンちゃん、ネコちゃんおよび飼い主さんの生活の質を改善することであり、治療法は原因によってさまざまです。最も一般的なのは、副腎皮質ホルモンの産生を抑える飲み薬による内科療法です。そのほか、副腎を摘出する外科手術や脳下垂体を縮小させる放射線治療などがあります。

どの治療法を選択するかは、状況に応じて様々ですので、獣医師とよく相談したうえで選んであげてください。

 

2019年3月20日更新

子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)

 

雌の子宮内に膿が溜まる病気です。

特に6歳以上の出産歴のない雌犬で多く発症するといわれています。

発情期の後(発情出血が終わってから)発症することが多いので、注意が必要です。

元気がない、食欲がない、嘔吐、多飲多尿(飲水量が増えて、尿量も増える)などが認められます。

病院内の検査で、白血球数の増加やCRPの上昇といった炎症所見が認められ、X線検査や超音波検査で大きくなった子宮が確認されます。

治療が遅れると、子宮内の細菌が産生する毒素により多臓器不全となり、死に至ることがあるため、子宮蓄膿症は救急疾患であることも多く、手術で卵巣子宮摘出術を行うことが一般的です。

しかし、高齢や心臓病などで麻酔の危険が高い場合など、手術を選択できない場合には、内科治療を選択することもあります。

健康なうちに避妊手術(卵巣子宮的手術)を行うことで、この病気を予防することができます

写真は手術で摘出した子宮蓄膿症のワンちゃんの卵巣と子宮です。

子宮蓄膿症写真白黒①

2019年3月20日更新