札幌市清田区のうすだ動物病院の診療対象動物は犬、猫、ウサギ、ハムスターです。

うすだ動物病院

◎受付時間 9:00~12:00/16:00~18:30 (土曜日 9:00~13:00)
◎休診日 日・祝日、土曜日の午後

011-881-6996

スタッフ紹介

獣医師が病気についてお伝えするコラムです。

今回は、マダニ予防についてです。

北海道は涼しくなってきて、いよいよ秋到来ですね。

春先からお勧めしているマダニ予防ですが、意外に忘れがちなのが、秋の予防です。

そして、秋は人も動物も、吸血昆虫たちも活発になる季節です。

今回はダニについて少し詳しくお伝えしますね。

 

マダニとは?

マダニは、動物や人間の血液を栄養源にして、発育や脱皮、産卵などを行います。草むらに生息し、動物の体に寄生し、吸血、落下、脱皮を繰り返し、成長していきます。体に付着後、吸血行動が始まり、数日から数週間かけて約200倍の体重になるまで吸血します。マダニの活動が活発になるのは、春から秋にかけてですが、特に春と秋に活動が活発になるといわれています。さらに、冬も活動する種類もいます。

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マダニによる被害

1.マダニに刺されることによる直接の被害

・血を吸われることによる貧血

・マダニに刺された部位の皮膚炎

・マダニの口器(くちばし)が皮膚に突き刺さるため、皮膚についたマダニをとる際に、口の部分が残ってしまうことがあります。そうなると、麻酔をかけて皮膚を取り除くことが必要になったり、皮膚に慢性的な炎症を引き起こす可能性もあります。

 

 

 

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上は、マダニに吸血された猫ちゃんの耳の写真です。

 

2.マダニ媒介感染症による被害

吸血によって、マダニは、細菌やウイルスなどの病原体を媒介します。マダニが媒介する感染症としては以下のようなものが報告されています。ほとんどが人獣共通感染症(人にも動物にもかかる感染症)のため、ワンちゃん・ネコちゃんの予防だけでなく、飼い主のみなさまも一緒に予防・対策することが大切です!

 

*犬バベシア症:犬にかかる病気です。かつては西日本でしか発生がありませんでしたが、近年関東以北でも発生しており、重度の貧血などで死に至ることもある怖い病気です。

 

*重症熱性血小板減少症候群(SFTS):ちょっと詳しく後で紹介します

*ダニ媒介性脳炎(TBE):ちょっと詳しく後で紹介します

*ライム病

*ボレリア症

*野兎病

*Q熱

*日本紅斑熱               などがあります。

 

マダニの予防法

ワンちゃん・ネコちゃんの予防~

  1. 予防薬を使う:当院では、スポットオン(首の後ろに垂らす)やチュアブル(おやつのようなお薬)タイプの予防・駆虫薬をお出ししています。気温にもよりますが、4月~10月の間、定期的に予防薬で駆虫します。予防薬といっても、マダニが体につくことを予防するものではなく、マダニが体に付着しても、吸血する前にマダニを駆除するお薬です
  2. お散歩コースや生活のしかたに注意する: マダニは、草むらに生息しているので、お散歩の際にはそういった場所を避けることも有効です。ただ、家の近くの公園やサイクリングロードなど、一見開けたようにみえる道でも、お散歩後にマダニに吸血されて来院したワンちゃんもいました。また、草むらに入った後は、シャワーやブラッシングで体の表面にいるマダニを取り除くことも有効です。とくに、瞼や耳、首など、皮膚のやわらかく薄いところはつきやすいので、よくチェックしてあげてください。

 

※ダニがつかないように予防するためのペット用スプレーや、首輪につけるアイテムがペットショップなどにならんでいます。ただ、動物用医薬品ではないため、効果や安全性についてはわからない部分も多く、当院ではおすすめしていません

 

飼い主さまの予防~

  1. おでかけの服装:腕や首、足など、肌の露出を少なくしましょう。草むらに行くときは首にタオルを巻いたり、ズボンのすそに靴下をかぶせるなどの工夫をしましょう。
  2. 忌避剤(虫除け剤)を使う:現在、マダニへの有効成分としてディートやイカリジンが含まれた忌避剤が市販されています。(あくまで飼い主様用です!!お子様の使用制限などがありますのでご注意ください。)忌避剤は、マダニの付着を減少させるもので、完全に予防できるものではありません。ほかの対策と組み合わせて使用するのがよさそうですね!
  3. 帰ってきたときの対処:服についたマダニをガムテープで取り除いたり、シャワーや入浴で体にマダニがついていないかチェックしましょう。もし、マダニに咬まれていたら、自分で対処なさらず、皮膚科等を受診し適切な処置を受けてください。また、その後数週間は体調の変化に注意し、発熱等の症状がないか注意が必要です。
  4. ワンちゃん・ネコちゃんにマダニがついているのをみつけたら…:素手でさわらず、すぐに動物病院にかかりましょう!無理に自分で取ろうとするとペットの体にマダニの口器(くちばし)が残ってしまうことや、飼い主のみなさんがウイルスや細菌などに感染するリスクがあるので注意してください。
2019年9月13日更新

8月のお盆期間は臨時休診日は設けず、暦通りの診療を行います。

当院の休診日は日曜・祝日となっております。

よろしくお願いいたします。

2019年7月11日更新

前回は、猫の慢性腎臓病についてお話ししました。

そもそも、どうして猫に慢性腎臓病が多いのでしょう。

様々な説があるのですが、AIMというタンパク質が関与しているのではないかと、いう最近の報告について、

もう少し詳しくお話しします。

 

AIMとは、免疫系に関与しているタンパク質の一種です。人における研究では、急性の腎障害が起こった際にダメージを受けて脱落した細胞を除去するサインをだし、尿細管のつまりを改善することがわかりました。つまり、腎機能を改善する働きをしています。

AIMは、血液のなかのIgMという抗体とくっついて存在しています。IgMから離れて腎臓内に入ることで、AIMは機能を発揮し、細胞の除去指令ができるようになります。

猫にもこのAIMはあるのですが、IgMとの結合力が強すぎるために、人のAIMのように腎臓でうまく機能していないことがわかったのです。

つまり、猫では急性腎障害が起こっても、腎機能を改善するような機能がうまく働いていないということです。それが、慢性腎不全に進行してしまっている可能性があるのです。

ちょっと難しい話になってしまいましたが…

腎臓で働けるAIMを、薬として投与すれば、猫の悩ましい腎不全の根本的な予防・治療になるのでは?!

高齢の猫の多くが慢性腎臓病で命を落としていることを考えると、このお薬が開発されれば、猫の寿命30年時代がくるのでは?!といわれているのです。すごい大発見ですね!

※ちなみに、AIMはライオンやトラでもみつかりました!動物園のネコ科動物たちもっと健康になれるかも?!

※詳しくは、https://www.jst.go.jp/pr/announce/20160105/

2019年7月9日更新

病気について獣医師が書くコラムです。

今回は猫の慢性腎臓病についてです。当院でも多くのネコちゃんがこの疾患で通院し、治療をがんばっていますので、ご存じの方も多い病気かもしれません。

高齢の猫でよくみられる病気です。現在、動物の慢性腎臓病は、治癒する病気とは考えられておらず、お薬や点滴で症状を緩和して、上手につきあっていくことが大切です。

原因については特定できないことが多いのですが、糖尿病や慢性尿路感染症などの基礎疾患があること、アビシニアン・ペルシャなどの猫種では遺伝的な関与もあるといわれています。また、近年では、「AIM」というタンパク質が関与している可能性もあるといわれてきました。(このお話は個人的に興味深いので、別の項でご紹介します!)

来院されるきっかけとしては、「水をたくさん飲むようになった」「おしっこによくいく」「食欲が落ちて痩せてきた」「吐いてしまうことが多く、元気がない」「口がにおう」などがあります。しかし、実はこの時点で、腎臓はかなり機能が落ちてしまっていることが多いのです…

そもそも腎臓は、体の中でできた代謝産物・毒素を排泄したり、血液や血圧のバランスを整えたりする役割を担っています。腎臓は体の左右に1つずつあり、どこか一部が障害されてしまっても、他の部分が頑張る!といったように、代償機能が高い臓器です。しかし、頑張りすぎるとそのうち疲れて壊れてしまいますよね。しかも、腎臓は頑張り屋なので、相当壊れてしまってからでないと、症状としては現れてこないのです。このように、知らず知らずのうちに数ヶ月から数年かけて、腎臓の機能が障害されていきます。

腎機能の評価は、血液検査・尿検査・血圧測定・画像検査などによって行います。血液検査では、BUN(尿素窒素)・クレアチニンなどの項目が使われてきましたが、最近は、より早期に発見できるマーカーとして、SDMAというものも使われてきています。また、尿中蛋白クレアチニン比(UPC)も早期発見のための指標です。「IRIS」という専門機関では、これらの指標をもとに、慢性腎臓病をステージ分けして治療方針を立てています。

図1

「IRIS」による慢性腎臓病のステージ分類と治療方針(一部改変)

 

治療としては、腎臓への負担を減らすために、タンパク質やリンを制限すること、水を補うことを実施していきます。具体的には、腎臓療法食に切り替え、点滴で脱水を補い、そのときに出ている症状(嘔吐・食欲不振など)を緩和する対症療法を行います。さらに、高血圧は慢性腎臓病の悪化因子となるため、血圧をコントロールすることも重要です。

ずっとつきあっていく病気になるので、ご自宅でしてあげられることもとても重要です。ごはんの切り替えがスムーズにできるように幼少期からドライ・ウェットフード両方に慣らしておく、好きな水の飲み方を知っておく、水を飲む場所を増やしておく、普段からどれくらいのおしっこをしているか・どれくらい水を飲むかを観察しておくなどです。病院に通うことも多くなるので、キャリーケースや病院が怖くないものと教えてあげておくことも大切ですね。

7歳以上になった猫の30~40%は、慢性腎臓病をもっているともいわれています。元気そうに見えても、健康診断などで腎臓の不調を早期発見して、元気に過ごせる時間を増やしてあげましょう!

2019年6月4日更新

6月22日(土)は梅下雄介院長が不在となります。

ご不便をおかけし、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

2019年6月4日更新