札幌市清田区のうすだ動物病院の診療対象動物は犬、猫、ウサギ、ハムスターです。

うすだ動物病院

◎受付時間 9:00~12:00/16:00~18:30 (土曜日 9:00~13:00)
◎休診日 日・祝日、土曜日の午後

011-881-6996

スタッフ紹介

12月17日(火)午前診察(9:00~12:00)梅下院長が不在となります。

午後の時間帯(16:00~18:30)は通常どおり診察いたします。

ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

 

2019年12月3日更新

病気について獣医師が書くコラムです。

 

“肥満細胞腫”と聞くと、「ん?肥満?太っているからできる腫瘍なの?」とイメージされるかもしれません。でも実は、肥満細胞は炎症や免疫に関わる細胞のことで、いわゆる“肥満”とは関係のない細胞です

肥満細胞は、主にアレルギー反応に関わっており、細胞の中にはヒスタミンやヘパリンなどの化学物質が顆粒として含まれています。

花粉症を思い浮かべてみましょう!アレルゲン(花粉)が体に入ってくると、鼻水がでたり目がかゆくなったりしますよね?それは、抗体が体内に入ってきた花粉を捕まえると、肥満細胞が反応して顆粒をだす(脱顆粒)ために起こっています。

この細胞が主体となってできた腫瘍のことを「肥満細胞腫」と呼びます。

犬や猫の皮膚にできることが多いのですが、脾臓や消化管などの内臓にできる場合もあります。それぞれ、皮膚型肥満細胞腫と内臓型肥満細胞腫と呼ばれます。

 

腫瘍の発生原因はわかっていませんが、犬ではブルドッグやパグなどの短頭種、猫ではシャム系で発生が多いことから、遺伝的な要因も可能性として示唆されています。

 

悪性度は、犬と猫で異なり、犬の皮膚型肥満細胞腫では進行が早く悪性腫瘍の場合が多いといわれています。一方、猫の皮膚型肥満細胞腫では、良性の経過をたどる場合が多く、一部の腫瘍は自然退縮することもあります。また、発生部位によっても悪性度は異なり、内臓型肥満細胞腫では、消化管に発生した場合は悪性度が高く、予後があまりよくありません

 

皮膚型肥満細胞腫のよく認められる部位としては、犬では、体からおしりまわりにかけてと、前肢・後肢の足の皮膚です。一方で、猫では、頭や首まわりから体にできやすいといわれています。

 

20190530 (1)猫 瞼肥満細胞腫←上まぶたに5㎜大のできものがあります。さわった後のため、少し赤みがでています。

 

腫瘍に触ったり、刺激が加わると、肥満細胞の脱顆粒が起こるため、腫瘍の周りが紅くなったり、膨らんでくることがあります(ダリエ徴候)。また、脱顆粒によるヒスタミンの影響が全身に及ぶと、胃・十二指腸潰瘍や心肺機能異常、血液凝固異常が起こり命に関わる症状がでてしまうこともあるため注意が必要です。

 

診断は、主に細胞診(腫瘤に針を刺して細胞を顕微鏡でみること)で行います。典型的な肥満細胞腫では、顆粒のある肥満細胞が多く採れてきます。さらに、内臓型や転移の有無、予後の予測の判断のために、血液検査やレントゲン・超音波などの画像検査なども併せて実施します。

肥満細胞顕微鏡←針を刺して細胞を顕微鏡でみてみると、顆粒を含んだ肥満細胞が見えます。

 

治療は、全身麻酔をかけて腫瘍を取り除く、いわゆる外科的切除が第一選択となります。しかし、腫瘍を取り切れなかった場合や腫瘍の発生場所が原因で手術できない場合、内臓にも腫瘍が発生している場合などは、抗がん剤や放射線療法を行うこともあります。また、症状を緩和するためにステロイド剤を使う場合があります。

 

イボのような見た目でも、実は皮膚型肥満細胞腫であることがあります。小さなものでも、“できもの”を見つけたら、早めに動物病院にご相談ください。また、犬や猫は体の大部分が毛で覆われていたり、内股などなかなか見づらい部分があったり、“できもの”の発見が遅くなってしまうことがあります。手術の範囲をできるだけ小さくして体への負担を少なくする・腫瘍が転移する前の早期発見を実現するために、ご自宅でも体のいろいろなところを触る・観察する習慣をつけてみてくださいね!

 

肥満細胞腫術中写真肥満細胞腫術後写真

↑犬の後ろ足にできた皮膚型肥満細胞腫。肥満細胞腫は皮膚の上を広く、深く転移していることがあるので、腫瘍の周りを広く切除する必要があります(マージンを確保する)。皮膚を広く切除しましたが、傷口はきれいに治ってくれました。

 

2019年11月12日更新

11月2日(土)は学会出席のため、臨時休診とさせていただきます。

11月4日(祝・月)の9:00~13:00 診察いたします。

ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

 

2019年10月8日更新

獣医師が病気についてお伝えするコラムです。

前回はマダニ予防についてのお話をしました。

今回は、もう少し詳しく、マダニ媒介感染症についてです。

あまり聞きなれない病気かもしれませんが、人も動物もかかる人獣共通感染症なので注意が必要です。

マダニが媒介する病気はたくさんあります。そのなかでも、この数年で明らかになってきた感染症についてご紹介します。札幌でも報告されている感染症もあるので、注意しましょう!

 

*ダニ媒介性脳炎(TBE)について

ウイルスが原因で、人に重篤な脳炎を起こす感染症です。1990年代前半まで国内には存在しないと考えられてきましたが、1993年に函館にて国内で初めての感染報告があり、その後2018年までに北海道内で3~5例ほど報告されています。北海道大学では、動物(犬・馬・野ネズミ・アライグマ)を対象に、このウイルス抗体の保有状況を調査してきており、道内の広い地域で抗体陽性の動物が多く生息していることがわかっています(抗体陽性=このウイルスにかかったことがあるという指標になります)。また、道外でも西日本を中心に抗体陽性の野生動物が検出されており、現在、これらのウイルスの流行巣が存在している可能性が高いといわれています。

 

*重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

ニュースでも話題になっていたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、2011年に新種のウイルスによる“新興感染症”として報告された感染症です。人に感染すると、高熱や嘔吐・下痢、血小板・リンパ球の減少などの症状がみられ、致死率も高いといわれています。

SFTSは、多くの動物では不顕性感染(感染していても症状がないこと)すると考えられてきましたが、2017年に犬や猫、チーター(動物園)で発症することが確認されました。とくに、猫では、発症すると致死率も高いと考えられています。

SFTSの発生は2019年8月15日現在、北海道内では確認されていませんが、SFTSのウイルスを持っているマダニは北海道内で検出されています。いつ、どこからウイルスに出会ってしまうかは、誰にもわかりません。日ごろから、マダニの予防に努めましょう!

 

マダニ予防のまとめ

*マダニから人・犬・猫にかかる感染症が多くあります

*マダニが活発に活動する春・秋は特に気をつけましょう

*ワンちゃん・ネコちゃんに予防薬を使いましょう

*お散歩コースに気をつけましょう

*マダニがついているのを見つけても、触らずに病院に行きましょう

 

2019年9月13日更新

獣医師が病気についてお伝えするコラムです。

今回は、マダニ予防についてです。

北海道は涼しくなってきて、いよいよ秋到来ですね。

春先からお勧めしているマダニ予防ですが、意外に忘れがちなのが、秋の予防です。

そして、秋は人も動物も、吸血昆虫たちも活発になる季節です。

今回はダニについて少し詳しくお伝えしますね。

 

マダニとは?

マダニは、動物や人間の血液を栄養源にして、発育や脱皮、産卵などを行います。草むらに生息し、動物の体に寄生し、吸血、落下、脱皮を繰り返し、成長していきます。体に付着後、吸血行動が始まり、数日から数週間かけて約200倍の体重になるまで吸血します。マダニの活動が活発になるのは、春から秋にかけてですが、特に春と秋に活動が活発になるといわれています。さらに、冬も活動する種類もいます。

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マダニによる被害

1.マダニに刺されることによる直接の被害

・血を吸われることによる貧血

・マダニに刺された部位の皮膚炎

・マダニの口器(くちばし)が皮膚に突き刺さるため、皮膚についたマダニをとる際に、口の部分が残ってしまうことがあります。そうなると、麻酔をかけて皮膚を取り除くことが必要になったり、皮膚に慢性的な炎症を引き起こす可能性もあります。

 

 

 

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上は、マダニに吸血された猫ちゃんの耳の写真です。

 

2.マダニ媒介感染症による被害

吸血によって、マダニは、細菌やウイルスなどの病原体を媒介します。マダニが媒介する感染症としては以下のようなものが報告されています。ほとんどが人獣共通感染症(人にも動物にもかかる感染症)のため、ワンちゃん・ネコちゃんの予防だけでなく、飼い主のみなさまも一緒に予防・対策することが大切です!

 

*犬バベシア症:犬にかかる病気です。かつては西日本でしか発生がありませんでしたが、近年関東以北でも発生しており、重度の貧血などで死に至ることもある怖い病気です。

 

*重症熱性血小板減少症候群(SFTS):ちょっと詳しく後で紹介します

*ダニ媒介性脳炎(TBE):ちょっと詳しく後で紹介します

*ライム病

*ボレリア症

*野兎病

*Q熱

*日本紅斑熱               などがあります。

 

マダニの予防法

ワンちゃん・ネコちゃんの予防~

  1. 予防薬を使う:当院では、スポットオン(首の後ろに垂らす)やチュアブル(おやつのようなお薬)タイプの予防・駆虫薬をお出ししています。気温にもよりますが、4月~10月の間、定期的に予防薬で駆虫します。予防薬といっても、マダニが体につくことを予防するものではなく、マダニが体に付着しても、吸血する前にマダニを駆除するお薬です
  2. お散歩コースや生活のしかたに注意する: マダニは、草むらに生息しているので、お散歩の際にはそういった場所を避けることも有効です。ただ、家の近くの公園やサイクリングロードなど、一見開けたようにみえる道でも、お散歩後にマダニに吸血されて来院したワンちゃんもいました。また、草むらに入った後は、シャワーやブラッシングで体の表面にいるマダニを取り除くことも有効です。とくに、瞼や耳、首など、皮膚のやわらかく薄いところはつきやすいので、よくチェックしてあげてください。

 

※ダニがつかないように予防するためのペット用スプレーや、首輪につけるアイテムがペットショップなどにならんでいます。ただ、動物用医薬品ではないため、効果や安全性についてはわからない部分も多く、当院ではおすすめしていません

 

飼い主さまの予防~

  1. おでかけの服装:腕や首、足など、肌の露出を少なくしましょう。草むらに行くときは首にタオルを巻いたり、ズボンのすそに靴下をかぶせるなどの工夫をしましょう。
  2. 忌避剤(虫除け剤)を使う:現在、マダニへの有効成分としてディートやイカリジンが含まれた忌避剤が市販されています。(あくまで飼い主様用です!!お子様の使用制限などがありますのでご注意ください。)忌避剤は、マダニの付着を減少させるもので、完全に予防できるものではありません。ほかの対策と組み合わせて使用するのがよさそうですね!
  3. 帰ってきたときの対処:服についたマダニをガムテープで取り除いたり、シャワーや入浴で体にマダニがついていないかチェックしましょう。もし、マダニに咬まれていたら、自分で対処なさらず、皮膚科等を受診し適切な処置を受けてください。また、その後数週間は体調の変化に注意し、発熱等の症状がないか注意が必要です。
  4. ワンちゃん・ネコちゃんにマダニがついているのをみつけたら…:素手でさわらず、すぐに動物病院にかかりましょう!無理に自分で取ろうとするとペットの体にマダニの口器(くちばし)が残ってしまうことや、飼い主のみなさんがウイルスや細菌などに感染するリスクがあるので注意してください。
2019年9月13日更新